「もう、俺から離れようなんて思わないよな?」
「……ああ…」
何かシャクな気がするが。
佐々木は眉を顰める。
「だいたい、俺が野球やってようがいまいが、どうでもいいことだろ?」
「どうでもええわけないやろ?」
ぶすっつらで言う沢村にまたキリキリし始めた佐々木を、沢村はぎゅっと抱きしめたまま、倒れこんだ。
「どうでもいいんだって………」
「………トモ……」
そやな………トモはトモやし……、抱きしめるのに関係ない……か……
何だか、妙に笑えてくる。
「心配で……こうして抱きしめていないと、またあんた、この腕からすり抜けていくような気がして……」
「……トモ……」
佐々木は目頭が熱くなるのを覚え、沢村の背中を抱きしめる。
「……お前こそや……もう……離れとない……」
「ちゃんと言えるじゃん……」
口づけで言葉は途切れる。
恋はどうやらホンモノになってしまった。
この先何が待っているかはわからないが、降り注ぐ雪すら溶かしてしまいそうな恋人たちが、とりあえず幸せらしいことだけは間違いない。
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