「え、ウソ、ってか、じゃ、Dr.Cのこと知ってる?」
デレクがまた話を蒸し返す。
「だから、だれがどこのなんて奴だとかも知らなかったんだ。プロジェクトに参加していたのは上は十二歳くらい下は七歳くらいまでの子供八人ほどで、出身国くらいは察しがついたかもだが」
「Dr.ラファエロの英才教育プロジェクトは、当時IQ250以上の子供たちに声をかけて参加を募ったものでしたが、わざわざ探し出したわけではなく、NASA関連の仕事をしている親がいるとか、知人の子供などがほとんどだったようです」
エミリが補足した。
「え、じゃあ、何で、ルカがそこにいたってこと、知ってんだよ、あんたら」
デレクが素朴な質問をした。
「今回の件で、宇宙局長官スターリングが、うちにいるルカが当時参加していた子供の一人だと伝えてきたんだ」
「ひっで、じゃあ、ルカがどうなってもいいってのかよ? ラコストやエミリが敵のスパイだったらどうすんだよ!」
「私もエミリも敵のスパイなんぞではさらさらない。これでルカがその子供プロジェクトの一員だったことを知るものは、宇宙局を除けばデレク、お前を含めて三人だけだ」
ラコストが呆れてデレクをたしなめる。
「女の子が二人、男の子六人、別に大それた実験をやるとか、何かをやらされるとか、そんなんじゃなく、ただ、学校行けない代わりにみんなでDr.ラファエロの話を聞いたり、いろんなゲームで遊んだり、それぞれ作りたいもの作ったり、って感じでただ楽しかったことしか覚えていない」
当時の様子をおぼろげながら頭に浮かべながら、ルカは言った。
「何で学校行けないんだよ」
「彼らには学校で学ぶべきことがなかったからです」
デレクの質問にエミリがきっぱりと答える。
「あっそ、なるほどね」
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