アレクセイは相変わらず色んな面々につかまって動きが取れないようだ。
そんな時、ハンスがわざわざロジァのところにやってきて言った。
「つまらなそうだな? まだ、カードがきてないぜ」
「フン、バカバカしくて、やってらんねーぜ」
ロジァはわざとニューヨーク訛りの英語を使う。
「君はアレクセイと一緒のホテルにいるんだろ? 知ってるんじゃないのか? 車ほしくない?」
「フン、あんただって言ってほしいんだろ?」
ロジァは切り返す。
「まあ、確かに否定はしない」
ハンスは臆面もなく言った。
ロジァは苦笑した。
「話になんねーな」
ロジァは本当に帰ろうとハンスに背を向けた。
「おい、ロジァ、どこ行くんだよ!」
フランツが気づいてやってきた。
「帰んだよ」
「まあ、ちょっと待ってろよ。俺があの車で送ってやるから」
「何、言ってんだ、お前」
ロジァはイラつきながらフランツを睨みつけた。
「アレクセイの本命知ってんのは、俺だけだぜ。当然俺がもらうことになる」
「誰のこと言ってんだよ、てめー!」
英語とドイツ語の応酬だ。
「面白い、本当に君は知ってるのか? フランツ」
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