ACT 2
さすがに外は寒い。
二月だもんな。
二月。
アレクセイの誕生日は明日だ。
俺だって一応プレゼントしようと思って考えてたんだぜ。
そーさ、俺んとき、くれたからな。
だから一応、返すのが義理ってもんだし……
あいつが前にいいって言ってた、ヴァーゲンなんとかって奴のレコードの古いやつ……見付けた時は、こいつだって思ったけど、考えてみりゃ、好きなら持ってるだろうし、大体、店のにーちゃんが、こいつはいいなんていったって、俺はよく知らねんだからな……
あ……フランツに聞けば分かるか……でも何でだって言われたら、マズいしな……
そんなことを心の中で呟きながら、ぼうっとしていたロジァは、後ろのドアが開いたので、振り返った。
「寒いだろう? そんなにつまらない? どう? テキーラベースの、結構きくよ」
ハンスがグラスを手に立っていた。
「どーも」
ロジァは尊大そうに差し出されたカクテルを受け取った。
「そういえば、アレクセイへのプレゼントの山、どうしようか。持ってくのは無理だろうし。やはり送るか。とはいえ、貴重品だけは持っていってもらわないと」
「貴重品?」
「ああ、宝石類から時計やなんか。皆、競って持ってきたからな」
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