「いーじゃねーかよ! せっかく、ああ言ってんだ」
ロジァはすっかり乗り気である。
「俺も行く」
当然のようにフランツまでがそう言った。
「仕方ねーな……」
ついにアレクセイは折れた。
「どうやら、さすがのアレクセイも、あの坊やにはかたなしってとこだな?」
ハンスがアレクセイにこっそり囁く。
「そんなに可愛いか?」
「まあな」
「言ってくれるな、お前に、本命がいなけりゃ、俺が立候補するつもりだったんだぞ」
「俺なんかに、ありがたい話だ」
きれいな笑顔でアレクセイは微笑む。
なにはともあれ、ハンスはアレクセイが幸せであれば、と思うのだった。
―――FIN.―――
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