ロジァは多分局長ならそう考えるだろうと、心の中で笑う。
「とにかくここでのことは我々で解決しますから」
スターリングはロジァを睨みつけた。
「そうか。それなら、取りあえずお前に任せよう。ただし、今後もし、この僅かなメンバーの中でこんな事があった場合は放っておくわけにはいかん。メンバー構成についても考えねばならん。それを頭に入れておくんだな」
そう言い残してボックスを出て行った。
局長が出て行くや否や、マイケルが言った。
「俺が、辞めます」
「俺が辞めた方がいいんじゃないのか?」
マイケルはしれっと言うアレクセイを睨みつける。
「ボス、解決しないうちは仕事にならないかも知れませんよ」
さり気なくケンが提案した。
「そうよ!! 言って!! マイケル! どういうことなのか!」
泣き喚かんばかりのミレイユに、ロジァは仕方がないと皆を振り返った。
「わかりました。じゃ、裁判ですか? どちらが有罪か決めれば気がすむんですか?」
「ふざけないで!! ロジァ」
意外にも常に静かなカテリーナが、しかもロジァに怒鳴りつけたので、他のみんなは少し驚いた。
「じゃ、マイケル、どういう理由でアレクセイを殴ったのか、話して下さい」
「俺が悪いんですから、俺が辞めます」
マイケルはただそう言い張るばかりだ。
「代わりを見つけるのに苦労するんですよ、コマンドは。俺も簡単に辞められなかったんですから」
「俺が話してやるよ」
アレクセイがそこへ口を挟む。
「あなたに聞いてません」
ロジァは冷ややかに言い、またマイケルに向う。
「とにかく、話してくれませんか?」
「話すことはない。プライベートですから」
断固として聞かないマイケルに、ロジァは訊ねた。
「プライベートなら、どうしてここに持ち込んだんです?」
マイケルは返す言葉がない。
「持ち込んだからには、話して下さい」
もう一度ロジァが聞いた。
しかし、マイケルが言いよどんでいるところへアレクセイが言った。
「要するに、三角関係ってやつだよ。俺が無理やりミレイユに手を出したんで、マイケルが殴ったってわけ」
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