東京へ行こう -ハンスとケン- 57

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「姉夫婦が亡くなっていて、一人残されたあなたがどんなふうに暮らしているのか気がかりで、もし不自由な暮らしをしているのなら、父に内緒で援助をしようなんておこがましいことを考えたり……。でも調査をしてくださった弁護士に言われました。ロウエルさんはうちなんか及びもつかないくらいのニューヨークでも知られた資産家だと。それに、あなたは若くして大学の教授になられたほど、才能ある方だと」
「ご心配いただいてありがとうございます」
 別れ際、真美は近いうちにぜひ、二人の墓参りに行きたいとケンに告げた。
 千恵美に、たまには家に帰るようにと言い、ついでのように、「千恵美のこと、よろしくお願いいたします」と真美に初めて面と向かって言われた純は、瞬時に硬直した。
 


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