「まな、あんなでかくなきゃ、美女かと思うって」
「アレクセイがどうしたって?」
ケンは二人を振り返った。
「いや、同僚って言ってたよな。ってことは宇宙局ってことだよな?」
「ああ、そう」
「面白い? どんな連中がいるわけ?」
「まあ、俺にとっては面白い、かな。いるのはほとんど科学者ばっかだから」
「そっか、アレクセイも科学者なんだっけ」
「アレクセイは多趣味だからな。バイオリンなんかもプロ級だし、料理もなかなかの腕前だ」
「へえ……てことはロジァも科学者? ああ、そっか、ケンと同じ、飛び級とかそういうやつ?」
ケンは苦笑いを浮かべた。
「まあ、そんなとこ」
「千恵美!」
ロジァが千恵美を呼んだ。
「ヤキトリ、カラアゲ、ネギトロにビール!」
焼き鳥がロジァは気に入ったらしく、何度目かの追加オーダーだ。
「フフ、ロジァってなんか可愛いよね」
ケンは千恵美の言葉にしっかり頷いた。
「もう、ガキで」
千恵美はまた笑った。
「そういえば、ケン、恋人はいる? 結婚とかは?」
ちょっと酔いもまわってきた千恵美の不意打ちの問いかけに、ケンは一瞬躊躇した。
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