ぎょっとしたのはケンの方も同じだった。
それほど二人はよく似ていたからだ、少しばかりケンの方が背が高いことを除けば。
「お前、まさか、まさか、……ケン、か?」
突然掴みかかるようにしてケンを男が見上げた。
何と言っているのか、それはケンにもわかった。
「私はケン・オカモト・ロウエルです」
途端、男はケンを抱きしめ、「ケン! ケン!」と言い、「奈美、ケンだ、ケンが……」と女性に向かって喚きながら感極まって目を真っ赤にして、ケンを再び抱きしめた。
「探したんだぞ! ずっと、探したんだ!」
「まあ、よく戻ってきてくれたわ! お父さんたちにも知らせなきゃ! お父さん!」
奈美はそう言いながら店の中に駆け込んだ。
「申し訳ありません、私、あまり日本語が話せません」
ようやくケンを離した男に、ケンは言った。
すると横から、唐突に英語で話しかけられた。
「何で今まで連絡よこさなかった? どこで何してたんだよ? 親父らがどんだけ探したと思ってんだよ!」
純はそう言ってケンを睨み付けた。
にほんブログ村
いつもありがとうございます