東京へ行こう -ハンスとケン- 9

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 ぎょっとしたのはケンの方も同じだった。
 それほど二人はよく似ていたからだ、少しばかりケンの方が背が高いことを除けば。
「お前、まさか、まさか、……ケン、か?」
 突然掴みかかるようにしてケンを男が見上げた。
 何と言っているのか、それはケンにもわかった。
「私はケン・オカモト・ロウエルです」
 途端、男はケンを抱きしめ、「ケン! ケン!」と言い、「奈美、ケンだ、ケンが……」と女性に向かって喚きながら感極まって目を真っ赤にして、ケンを再び抱きしめた。
「探したんだぞ! ずっと、探したんだ!」
「まあ、よく戻ってきてくれたわ! お父さんたちにも知らせなきゃ! お父さん!」
 奈美はそう言いながら店の中に駆け込んだ。
「申し訳ありません、私、あまり日本語が話せません」
 ようやくケンを離した男に、ケンは言った。
 すると横から、唐突に英語で話しかけられた。
「何で今まで連絡よこさなかった? どこで何してたんだよ? 親父らがどんだけ探したと思ってんだよ!」
 純はそう言ってケンを睨み付けた。


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