「ジョー、いい子だ。おやすみ」
ジョーはわかったようで、足をとめた。
部屋に入ってドアを閉めたと思うや、ハンスはケンを抱き寄せてキスした。
そのままケンのセーターを脱がせるとうなじと言わず胸と言わずキスを浴びせながらドアに押し付け、ズボンのベルトをはずしてジッパーを降ろしてしまう。
「え……待って、ハンス……」
暖房の入っていない部屋なのに、一瞬冷たい空気がケンに纏わりついたものの、熱を帯びた身体はハンスによってさらに炙られる。
「あっ、や……! そ…」
昂ぶりをハンスの唇に含まれると、抗いがたい激流が身体の中を駆け巡り。
「や……あ………!」
いともたやすく追い上げられてケンは膝ががくがく震えた。
脱力したケンはゆらゆらとベッドに運ばれ、ぼんやりした頭でキスを浴びせられる。
そのうち後ろにひやりとした液体が流れるのを感じて、ケンは目を開けた。
「下心ありありで来たから、ちゃんと必需品は持参してるけど……、今夜はちょっと自制できない……ごめん」
いきなりねじ込まれた圧迫感にケンは息を呑む。
「あっ……あ……はっ……!」
中でハンスが動くたびに、ケンは言葉にもならない声をあげる。
やがて覚えのある愉悦の波に揺すられながら、ケンは意識を飛ばした。
気がついた時には、ハンスに抱かれたままバスタブの湯の中だった。
「……ハンス……」
「……悪い……無茶やった……もうずっとケンに触れることができなかったから制御不能になっちまって。いや、ちょっと寒かったから手っ取り早く湯を張った」
言いながらハンスはケンの髪にキスを落とす。
「きみが日本に行くって言った時、すごく慌てたんだ。何だかもう帰ってこないんじゃないかなんて……悶々としてたらアレクセイから電話がきて、ロジァがつまらないらしくて日本に行ってみたいって言ってるとか聞いて渡りに船ってやつで、ケンに逢いたいばっかでさ、パーティとか色々あったけどほっぽって飛んで行った」
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