日曜日は朝から気温がぐんぐんあがり、猛暑日決定だった。
力と佑人は夜のBBQのために駅に近い大型スーパーが開いてすぐ買い出しに来ていた。
大量の肉、大量の野菜をふたりそれぞれのカートに放り込んでいく。
「おい、カボチャなんかいるのかよ」
力が文句をつける。
「素焼きにすると美味しいよ」
「ゲ………」
力はサツマイモやカボチャといった甘い野菜が嫌いなのだ。
茄子、ピーマン、パプリカ、トマト、アスパラガス、トウモロコシ、ズッキーニ。
佑人が手に取る野菜をいちいちチェックする。
スペアリブ、ヒレ、ロース、カルビ、それにソーセージ、ポーク、と力は肉をカートに入れていく。
「前菜にサラダを作って来てくれるって、真野さんが」
「ったく、店閉めてまで全員でくるとか、あるかよ。大体お前が練にポロと言っちまうからだぞ」
「大勢でやった方が楽しいだろ」
文句を垂れる力に佑人は反論する。
「百合江まで来るって言ってんだぞ」
「だから賑やかでいいじゃん」
佑人はブツブツ言う力の文句を取り合わず、チーズも何種類かカートに放り込む。
「何人だ? 足りるか?」
「うーん、どうだろ、俺ら六人、カフェリリィが四人」
「おい、四人って、トモまで呼んだのかよ」
トモはカフェの学生バイトだ。
たまに佑人がカフェリリィでバイトをやった時に親しくなった。
「話した時、ちょうどいて、絶対行くって」
「あのやろ!」
「あとうちが三人、おじいちゃんたちは多分来ないと思うから、十三人くらい?」
「うん、まあ、こんだけあればいけるだろ。あとはビールと」
「ノンアルビール」
「わかりゃしねぇよ」
「飲んだら赤くなるし、わからないわけないだろ」
「クソ」
力は時々子供のように妙なダダこねをする。
付き合ってみないとわからないことだ。
佑人はフッと笑う。
「あ、そうだ!」
急に思いついて、佑人は害虫関係のコーナーへと向かう。
「何だよ、それ、大量に」
「虫よけ剤だよ。BBQやったら絶対寄ってくるだろ」
佑人は虫コナーイや虫よけ剤をいくつもカートに入れている。
「そういや、お前蛾に逃げ回ってたら、キャンプになんねーだろ」
「蛾なんて、存在自体拒否る!」
すると力は声をあげて笑う。
「勝手に笑えば。とにかく虫だけは断固拒否。もちろんゴキも」
何のかのと言いあいながら買い物を済ませると、二人は佑人のヴァンガードのリアゲートを開けて買ったものを積み込んだ。
もうすぐ昼だから、一緒に食べないか、と郁磨が荷物を運んできた力に声を掛けたが、タローが待ってるんで帰ります、と言って帰って行った。
「あ、力、今晩、タローも連れてくればいいよ」
佑人が走っていく力に声を大にして言うと、おう、と力は頷いた。
「何か、カレ、妙なところで遠慮するよな」
郁磨が言った。
「うん………」
佑人は曖昧に返事を返した。
どうしてだろうと佑人も思うことがある。
何人か仲間と一緒だと普通なのに、力一人でこの家に来ると、何となく落ち着かないようだ。
やっぱ、ちゃんと聞いた方がいいよな。
力に対する疑問がまた増えた気がした。
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