ボソリと言う力の佑人を抱きしめる腕がきつくなる。
「がっついちまって……お前、これからなのに……こうなりそうで、会わねぇようにしねぇと……」
「え………」
自分のせいで佑人の受験に支障をきたしたらと、そんなことを考えて力が自分と会わないと言ったのかと、佑人はひどく力が愛しくなった。
「それ……違うから」
佑人は力の背中に腕を回してぎゅっと抱きしめる。
「卒業したらもう一緒にいられなくなるのに……」
「佑人……」
力は顔を上げて佑人の目を覗き込む。
「そんなこと気にしなくていい……。俺、落ちようがどうしようが、浪人とかでも平気だし。それに、落ちないよ、きっと……。坂本じゃないけどさ」
「言ってくれるじゃねぇか」
「だから、やめなくてい…」
佑人の言うのを最後まで聞かずに力はその腕を掴んだままベッドへと突進して佑人を押し倒すと、手早く上半身裸になった。
「…ち…から…自分で……」
自分で脱ぐからと言おうとする佑人には耳もかさず、幾度もキスを繰り返しながら力は器用にコートを脱がし、学ランを脱がし、佑人から着ているものをみんな取り去ってベッドから落とした。
佑人の首筋からまた唇をそれから胸の辺りへとせわしなく力は舌を這わせ愛撫を施していく。
その間にも力の指が佑人の下肢へとのびて既に熱を持ち始めているものを握りこむと、佑人は息を呑む。
やめるなとは言ったものの、どうしても羞恥と怖れが佑人を身じろぎさせる。
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