空は遠く22

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 力の言葉は説得力があり、いつものごとくさらりと口にしながらも自信に満ちていた。
「うわ! そ、それって地球滅亡じゃん! ど、どうすりゃいんだよ! 机の下に隠れんの?」
 あたふたと啓太が喚く。
「地震だろ? そりゃ。つか、それどころのさわぎじゃねーの」
 佑人の隣で坂本が笑った。
「んじゃ、どうすりゃいんだよ、俺、まだ、なーんもしてねんだぞ!」
「よっしゃ、早いとこ、俺のドーテーあげます、っつて、川島裕美子のとこいってこいよ」
 ちょうど角のテーブルに、隣のクラスの女子四人が陣取ったばかりだった。
「ガンバって~啓太ちゃん!」
 坂本が啓太を椅子から押し出すと、皆が一斉にガハハと笑う。
 川島裕美子は四人のうちで、縦も横もひときわ大きな女生徒だ。
 声が大きかったので、その川島がちらりとこちらを見た。
「ばっきゃろ! 俺のことガキ扱いしやがって!」
 すぐ人の話を真に受ける啓太は半分涙目で訴える。
「大丈夫だよ、ペテルギウスから地球まで六四〇光年は離れてるんだ。爆発が起きたって地球が影響受ける前に、俺ら影も形もないから」
 佑人が言うと、啓太は少しばかりぼーっとしたまま、ストンと椅子に戻る。
「そ、そうだよなー? じゃ、大丈夫だよな、ばっきゃろ、脅かしやがって」
「でも、六四〇光年程前にもう爆発起きてるってこともあり得るけど。明日爆発見えたりして」
 佑人が付け加えると、啓太はまた「えーっ、てことは、どういうこと? どうすりゃいんだよ、成瀬ぇ~!!」と佑人にしがみつく。
「仮に爆発したとしても、六四〇光年離れているからたいした影響は受けないって説もあるけど」

 


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