ひまわり 17

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「だから何だよ、こんなとこで」
 優作は将清を睨み付けた。
「お前が普通の友達でいたいっつったから、俺はずっとお前のっ友人のつもりでいた」
 優作は将清の言葉に一瞬口を噤む。
「……友達だろ?」
「友達ってのは大抵のことは話せるやつのことを言うんじゃないのか? 見合いのこと何で黙ってた?」
「またその話かよ。だから恥ずかしかったんだよ。お前と違って恋人の一人もできずに見合いとかって」
「だから、何で急に見合いなんかする気になったんだ?」
 真っ直ぐなきつい視線が優作を貫いた。
「何でって……親もいい加減身を固めろってうるさいし。それに……」
 優作は唇を噛み、一つ息を吐いてから口を開いた。
「俺はさ、ずっとお前に歩調を合わせるのに精一杯だったんだ。お前に手を引っ張ってっもらってようやくって感じで。お前は何をやるにも余裕でさ。でも俺はお前に足並みを揃えるだけでもういっぱいいっぱいなんだ。どんなに背伸びしてもやっぱりお前には追いつけない。初めから無理だったんだよ。お前と俺とじゃ……何もかも違い過ぎる」
「何バカなこと言ってんだ? 人間誰しも違うに決まってるだろ?!」
 将清は険しい形相で怒鳴りつけた。
「俺は少し楽に生きたいって、等身大の自分でいたいって思ったんだ」
 優作がそう言うと、将清はさらに剣呑な眼差しを向け、何かまだ言おうとしたが、優作は背を向けた。
「とにかく、俺、ちょっと色々考えたいし」
 将清を残して編集部に戻ると、自分の席で優作はまた一つ大きく息を吐いた。
 これで……、やっと自分の身の丈の道を歩いていける。
 いや………、違うか、ほんとはずっと憧れていたんだ、あいつに。
 すごく好きだったんだ……
 モラトリアムの中でならひょっとしたらそのままでいられたかも知れないけど。
 大体、あいつに対してこんな気持ち抱えててどうするって………現実を見なきゃ。
 将清に言うべきことを言ったせいなのか、優作の脳裏に初めて将清と出会った頃のことが、次から次へと脳裏に蘇って溢れそうになった。

 


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