ひまわり 18

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 ほんとに、些細なことで知らない誰かがいきなり心の中に住みつくこともありなんだな、って、思ったな。
 田舎から上京して初めての一人暮らしを始めたばかり頃、優作はかなり気負っていた。
まあ、東京の大学に進学したとはいっても、実際優作の通う経済学部は東横線沿いにあり、地図上は神奈川県だった。
 それでも渋谷へは三十分もかからないし、M市出身の優作にしてみれば十二分に都会で、刺激的だった。
 キャンパスを歩く学生たちは、誰もかれもが洗練された大人に見え、優作は元来の負けず嫌いな性格から、必要以上に肩に力が入っていた。
 だが上級生ならまだ納得もできたろうが、同じ学部には一段と目立つ男たちが何人か集まっていた。
 しかもその男たちの周りを、少なくとも優作目線でいくと田舎には絶対にいないだろう美人な女の子たちが取り巻いていて、華やかさを助長していた。
 芸能人かと優作が思ったほどのイケメンでしっかりした体躯に加え、爽やかな笑顔が憎らしくさえ思えたその男こそが毛利将清だ。
 どう見ても同い年には見えないぞ、と内心口惜し紛れに呟いた優作だが、残念ながら将清は同じ学年で、帰国子女でかなり裕福な家で育ったお坊ちゃんで、白金台に豪邸があるらしい、とは周りで騒いでいる女の子たちの情報から嫌でも耳に入った。
 将清とはまた別の目立ち方をしていたのが、元気である。
 肩より少し長めの綺麗な黒髪は後ろから見ると女の子か、と勘違いしそうだが、優作より背が高い。
 振り返ればまた勘違いしそうなくらい綺麗な顔立ちで、これがまた女の子が羨ましくなるくらい小顔で、脚も長い。
 それだけならただの綺麗な男だが、これがまたでかくて鋭い目つきの男とつるんでいて、その二人のいでたちは明らかにミュージシャン、またサマになっている。
 でかい男はさすがに留年していたようだが、強面ながらも精悍なイケメンで、しかも既にインディーズでは知られた男らしく、この二人の取り巻きもまたすごかった。

 


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