ひまわり 19

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 とにかく将清にせよ元気にせよ、ちぇ、ちょっと目立つと思いやがって、と心の中で負け惜しみする優作には、世界が違う人種だとしか思えなかったし、彼らとお近づきになろうなどとはその頃は思いもよらなかった。
 将清が付属校出身だということや、付属校上がりはただエスカレーターで上がってきた大学に遊びに来ているようなお坊ちゃんお嬢ちゃんか、一握りの秀才軍団かどちらかに分かれ、その中間を占めるのが外部入試組だというような噂も優作には聞こえてきた。
 聞こえてきたというのは、構えすぎていた優作はその頃まだなかなか友達を作ることもできないでいたからだ。
 高校時代の優作は生徒会の副会長をやったりしてそれなりに一目置かれていたし、それなりに可愛い彼女だっていたのだ。
 だが今、将清や元気たちを前に、優作はそんな自分が霞んで見えた。
 こうして広い世界に出ると、自分などその他大勢でしかないのだと妙に納得できる。
 関西に行った彼女には、遠恋はムリと、きっぱり別れを言い渡されたし。
 所詮は井の中の蛙ってやつだよな…
 期待と希望に燃えて上京したはずの優作だが、鼻づらをいきなりへし折られたような気がした。
 ちぇ、別に女にモテるために親に高い金使わせてるわけじゃないし、ダチなんかいなくても一人でやっていける。
 電車で一駅のところにアパートを借りていたが、町にも少しずつ慣れ、ルートを色々調べた優作は事務局に許可を得て、春に免許を取ったバイクをようやく活用できるようになった。
 車の免許も一緒に取ったのだが、田舎ならまだしも都会では車があったとしても駐車料や維持費がかかる。
 そこへ行くとバイク駐車OKのアパートを探したので駐車料はほぼゼロ、保険料はかかるが、そのうちバイトでも見つけて自分で何とかしたい。
 明日こそはバイクで通学するぞ、と思い立ったのは、たまたま駐車場を通りがかった時に、慣れた手つきで車を滑り込ませて颯爽と降りる将清に出くわしたからだ。

 


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