ひまわり 30

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「はあ? 呆れたやつだな」
 優作はちょっと同感と思ったのを思い切り打ち消した。
 きゃあ、っと悲鳴のように笑いながら、グラスを持ったまま、芽衣が将清の首に抱きついたのが見えた。
「え、ミドリ、優作の彼女じゃないの?」
 思わず口からこぼれていた疑問に、ミドリがフフッと笑う。
「さあ、彼女とか、決まった子いないんじゃない? 高校の時は寝てたけど、彼女とか、そういうんじゃなかったし」
 さらりとミドリが口にした言葉に、優作は言葉が出てこない。
「ねえ、ミドリ、アイス、どこにあるの?」
 女の子がミドリを呼んだ。
「冷凍庫に入れたはずだよ」
 ミドリがキッチンに向かった。
 何だよ、それ。
 高校の時は寝てた? ってことは、今は? 別のだれかってことか。
 何だよ、女、とっかけひっかえ、しっかりモテ男じゃん。
 じゃ、あの子も、将清と……。
 優作の視線の先には、他の女の子よりは可憐な風情の琴子がいた。
「今、琴子のことヤーらしー目で見てただろ」
 ふいに耳元でそんな台詞を囁かれて、優作は思わず飛び退った。
「な、な、何だよ!」
 いつの間にいたのか、将清は焦って赤くなる優作の肩に腕を回してぐいと引き寄せる。

 


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