「一応、教えといてやる。かーわいい面に騙されて男どもを手玉にとって、一時は二股三股とか軽ーくやってたぜ。で、男どもは可愛い面に文句も言えずに去るってパターンだ。お前みたいなのが太刀打ちできる相手じゃねーぜ、チェリーちゃん」
「な、誰が、ちぇ………!!」
優作は将清から逃れて睨みつけながら、真っ赤になって拳を握りしめた。
「あれ、ビンゴ? そっかそっか」
将清は明らかにからかいの混じった目を向ける。
「うるさい! 俺がどうだってお前に関係ないだろ!」
俄かに将清の言葉が、ミドリの高校までは寝ていたというフレーズが生々しく蘇えって、優作はイラついた。
「誰とでも寝るみたいなお前と、一緒にすんな!」
「やーん、優作ちゃん、怒ると可愛い~!」
「うるさい!」
酔っているのか、ムキになった優作の抗議もへらへらと笑う将清には暖簾に腕押しのようで、優作はそれ以上何かを言うのもバカらしくなって、手に持っていたビールを一気に飲み干した。
フン、こんなやつとは、適当につきあってればいいんだ。
まともにとりあっていたらこっちがバカをみるだけだし。
どうせ、四年なんてあっという間に終わる。
こいつらみたいに遊び暮らしていられるような身分じゃないんだ、こっちは。
きっちり卒業して、ちゃんと就職しないと。
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