何だか、自分の意図しない方向へ、行ってほしくない方向へ、事が進んでいっている気がした。
これって、俺、やっぱ似合わねえことしてるからなんじゃないのか?
つるむべき相手を間違えているから、こんな、かけたくない迷惑とか、しかもかけたくもないやつにかけたりしてるんじゃないのか?
もしか本当に救急車とか呼ぶようなことになったら、もっと迷惑かけていたことになる。
ふっと、高校の時、部室で隠れて缶ビールとか持ち込んでタバコ吸ってたやつらがいて、生徒会長と一緒に情報を聞きつけた優作は、その部室に乗り込んだことを思い出した。
「アルコールとか煙草とか、未成年のやることじゃないだろ」
確かそんなことを言ったのは自分だったと、苦々しく思い出した。
当時の生徒会長は何でも杓子定規に取り締まるとかではなく、柔軟に対応できるやつで、そいつらも次はないからってことで、教師に報告したりしなかったっけ。
とにかく、そんな自分が、このザマ。
自己嫌悪でいっぱいになりながら、コーヒーもブラックで飲んだことはなかったから苦いなとか思いながら飲んでいた優作を、将清が明らかに憐憫の視線をよこした。
「ああ、いや、その、ビールとか飲んだことなかったなら余計わからなかったと思うけど、ミドリがお前に渡したやつ、ビールじゃなかったんだ」
「は? 何それ」
優作は怪訝な顔を将清に向ける。
「いや、あいつ、いつも好きでそうやって飲んでるから、つい、お前にも同じやつ渡したみたいだが」
言いづらそうに将清は言葉を選ぶ。
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