たったか玄関に向かう優作に、「おい、ちょっと待て、俺も」と将清は慌てて自分のバッグを取ってくると優作の後を追った。
部屋を出ると既にエレベーターは下降している。
「おいおい、何でそうなるんだよ!」
将清はイラついて非常階段を駆け下りた。
優作はトボトボと駅への道を歩いていた。
「待てっての!」
将清は優作の腕を掴んで振り向かせた。
「何だよ!」
「俺も授業行くんだよ!」
優作はムッとした顔で将清の腕を振り払った。
「まだ怒ってるのかよ」
優作の顔を覗き込むようにして将清が言った。
「面しろおかしく笑いものにするネタが欲しければ他をあたってくれ」
「はあ? お前、だからメイクしてったのはどっちかってと、可愛いっていう親愛の情だって。お前、それ、ひねくれすぎてねーか?」
「俺がひねくれていようが、お前には関係ない。もう俺に構うな!」
優作は足を速めるが、すぐに優作は追いついて横に並ぶ。
脚が長いって誇張してんのか。
くっそ! もうこいつの何もかもが気にくわない。
「何、お前、高校ん時イジメにでもあったわけ? だからそんな果てしなくネガティブ?」
将清の言葉はいちいちカンに障る。
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