くっそ、そうだよ!
俺は将清が羨ましいだけだよっ!
でも口が裂けてもそんなこと言うもんか!
「俺も羨ましいなあ。将清って、何でもできるし、誰とでも仲良くなれるし、女の子にはもてるしさ」
にこやかに、素直に、思っていることを吐露できる佐野は、逆に大したやつだと優作は感心してしまう。
だがお陰で、将清との付き合いは元の木阿弥。
「ごめんね、ほんのちょっとしたいたずらだったんだよ。優作の気持ちも考えずに、ほんとゴメン!」
ミドリには目の前で両手を合わせて頭をさげられ、寝てるうちにメイクでいたずらされたことを謝られた。
「いや、こっちこそ、そんなマジで怒ってたわけじゃなくて。アルコールに免疫ないし、お前らと一緒につるむとか、俺がガキ過ぎるかなとか、って」
「何それ」
途端にはあ、とため息をつかれた。
「アルコール飲めないからガキだとか、そんなんじゃないっしょ? まあ、ガキだっていうのは、飲めないなら飲めないって言った方がいいってことよ」
「そ……だな、ゴメン」
「んもう、もう、変に気を回さないでよ!」
ミドリが超美人な笑顔で笑った。
優作はつまらない意地を張っていた自分が情けなくなった。
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