ひまわり 52

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 驚いて優作は叫んだ。
「将清! おい、やめろ!」
 体格の差は歴然としていて、将清の腕でそれ以上殴り続けると男が死んでしまうのではないかとさえ思われ、優作は将清を止めにかかったが、逆に跳ね返された。
「止めて! 誰か将清を止めて!」
 後ろから走ってきたミドリが声を張り上げた。
 やがて元気も店から飛び出してきた。
「おい、将清! もうやめろって! 死んじまうぞ!」
 だが跳ね飛ばされて優作が茫然と腰を抜かしているうちに、将清の腕を掴んで男から引きはがしたのは元気の用心棒だった。
「警察、呼んでやってもいいぞ」
 用心棒が倒れている男に向かって言うと、男はそれでもよれよれになりながら立ち上がり、その場から立ち去った。
 元気がちょうど通りかかった空車のタクシーを停めると、用心棒が将清をタクシーに押し込み、そのあとからミドリが乗り込むと、タクシーは雨の中を走り去った。
「大丈夫か? 優作」
 元気に助け起こされた優作は、いったい何があったのかわからないまま、まだ茫然と立ち竦んでいた。
「優作、大丈夫? 元気もずぶぬれじゃない!」
 芽衣が声をかけてきた。
「あのさ、俺、こいつ送っていくけど、わりい、女の子ら、帰れるか? 今の騒ぎで警察でもきたら厄介だし」
「ああ、あたしらは平気。優作のことちゃんと送ってやって?」

 


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