ひまわり 59

back  next  top  Novels


「ゴメン、俺、ガキだから、そういう付き合いってわからないし」
 すると、ミドリははあ、と大きく溜息をついて、両手で顔を覆った。
「ううん、ガキだからとかじゃなくて、それは、まともな感情だと思うわ」
 ミドリはしばし唇を閉じていたが、「Here I am, will you send me an angel………」と何か歌うように口にした。
「いつも、口癖みたいに歌ってる子がいたのよ。ケリーっていってさ、ラジオで聞いたその曲が好きだって、俺はここにいるよって、いつも歌ってれば、いつかきっと天使が来てくれるって、可愛い子でさ、それこそ天使みたいな笑顔でさ」
 唐突にミドリが話し出した内容に、優作は最初何を言っているのかわからなかった。
「小学校の頃から、地域のセンターに子供たち相手にアメフト教えてる人がいて、元アメフトの選手だったけど足を怪我してそれでセンターで仕事してたのよ」
 ようやくそれが、ミドリと将清が育ったというニューヨークの話だということが分かってきた。
「ちっちゃい子からハイスクールの三年、十四、五歳くらいまでのその辺りの学校は違ったけどいろんな地区からいろんな人種の子が集まってて、将清とケリーもずっとその人、ジョーに鍛えられてた。体格も大きいし、二人とも筋がいいって。私はたまに休日にやるゲームを見に行ったりしてて、ケリーとも仲良かったんだ」
 ミドリは頬杖をついて、その当時を思い出しているのだろう、どこか宙をさ迷っているかのような視線は楽しそうなものとは違っていた。
「ハイスクールの三年の時だった。明るいとこしか見たことなかった将清が何か暗くて、聞いたら、ケリーが練習に来てないっていうの。それで一度ケリーの家に行ってみるって言うわけ。あたしはすぐに反対したよ」
「何で?」

 


back  next  top  Novels

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ