ひまわり 60

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「あのあたりに住んでないとわからないだろうけど、ケリーの家って、というかケリーってストリートギャングが横行してるようなところに住んでて、ってか………ケリーの兄貴がストリートギャングに入ってたのよ」
 まるでドラマのような話をミドリは続けた。
「でも次の土曜も、ケリー、練習に現れなくて、将清、ケリーの家に行くって言い出して、ちょうどそれをジョーが聞きつけてやめろって将清を諭したんだけど」
 ミドリはフーッと大きく息をついた。
「ケリーのようすがその頃なんか変だとはあたしも思ってたんだけど、ジョーが言うには、ケリーがクスリをやってるか売ってるかしてるかもしれないって。けど将清は行ってみるって聞かなくて、ジョーが根負けして一緒に行くことになって」
 ミドリはコーヒーにミルクを入れてスプーンで無暗に掻き回した。
「ジョーは言ってた。将清の正義感くらいじゃ抗えないものもあるって。その土地やそこに住む人や、いろんな人種がいて、差別とか当然のようにあって、クスリなんかに手を出しちゃダメだなんて、わかってたって普通に売ったり買ったり、そういうところで抗って這い出して行ける人って並みの信念じゃないんだって」
「それでケリーには会えたのか?」
「最悪だったんだ」
 優作にもミドリの話から、何かどす黒い重いものが胸の中に広がり始めていた。
「あたしは、あとでジョーから聞いただけだけど、ケリーの家を探し当てて行ったらドアが開いてて、ジョーの制止を振り切って将清がケリーのこと呼びながら中に入っちゃって、そしたら将清のケリーを呼ぶ声が悲鳴みたいに聞こえて、ジョーが慌てて後を追ったら、将清がケリーの兄貴をメタ殴りにしていて、傍にはナイフが転がってて、ケリーが死んでたって」

 


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