ひまわり 65

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 優作の大学生活は思っていた以上に有意義に楽しく過ぎていった。
 何かあれば主に将清を中心にことは進み、常に将清とセットでカウントされていた優作も流れの真ん中にいたが、あくまでも自分は将清の腰ぎんちゃくのような存在で、周りにもそう思われているだろうとは自分に言い聞かせていた。
 ミドリとも何事もなかったかのように友達でいられたし、ただ、将清のことに関してはあれから口にすることはなかった。
 だが夏休み前、将清が最新型のカワサキの大型バイクでキャンパスに現れた時は、羨ましいより滅茶苦茶優作は腹が立った。
「お前、それ、何で、すげえガイシャのってたじゃねーか!!」
「おばあちゃんちの庭の草むしりやったら、買ってくれた」
 ふざけたことをぬかす将清を優作は張り倒してやりたかったのだが。
「夏休み、ツーリング、行こうぜ」
 そんな言葉に優作は怒るに怒れなかった。
 北海道から東北、北陸、関西、四国、結局卒業までに九州を除いて夏休みや春休みを使って日本のあちこちを二人で廻った。
 キャンプや安宿、山奥の温泉を見つけるのも将清の得意とするところだった。
 ただし、その土地その土地の美味いものは逃さないのが信条で、特産品は必ず祖母やミドリや元気ら友達にも宅配便で送っていた。
 将清のどんなことでもとことんやらなくては気が済まない、やればできる的なところがまた、つい俺なんかで諦めてしまいがちな優作には頭が下がる思いがした。
 二年の時の学祭には実行委員会が呼んだ芸能人のステージよりも将清の一声で、設営から照明までを自分たちで実行した元気と一平、それにみっちゃんが参加したライブは、SNSを使ってのアピールによって関東圏から続々と学生のみならず音好きが集まってきて大々的に成功をおさめ、またミドリが先導して行った壁から塀から建物の中へと続くペインティングは日本のアート業界からも注目を浴びた。


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