ひまわり 66

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 二年の時から出版社のバイトを紹介してもらえたのも将清の知り合いがいたからだ。
 だが時々、いろいろなことがあまりにうまく行き過ぎているような気がして、それはやはり将清のお陰なのだと、優作はあらためて思わざるを得なかった。
 もし自力だけで何とかしようとしても、こうもうまく事が回るはずはないと思われた。
 それは優作の中では悔しくもあり、諦めでもあった。
 ただ一つ、思うようにいかなかったのは、彼女を作るという進学時からの優作の密かな目標だった。
 将清と一緒の輪の中にいれば、たくさんの女の子と知り合うことはできた。
 けれど、大方は将清目当てで、そればかりは優作だけではない、他の男たちも同じようなものだった。
 それでもあいつが、というやつが彼女を作っていたり、いつの間にかバイトで知り合ったとか学外でゲットしていたりした。
「だからお前、将清にくっついてたら、いい女寄ってきても結局彼女ゲットはムリじゃね?」
 なんてナンパして彼女ができたと得意げなやつに笑われたりもした。
 ミドリや芽衣は入学当初からの付き合いなので、今更お互い、友達の範疇から出る気にはなれなかった。
 琴子は二年の時にとっくに他の学部から彼氏をゲットしていて、卒業時まで別れる気配はなかった。
 元気やその用心棒はみっちゃんと結成したバンドのライブであちこち行ったりしているようだった。
 たまに将清とライブに行ったりしたが、元気も用心棒も将清とはまた別に女に騒がれていた。
「何か、ちょっと元気が心配なんだよね」
 学食で相変わらずガッツリとカレーを食べた後、隣のミドリがぼそっと呟いた。
「え、何が? だってライブ、すげえ人気だぜ? もうセミプロだし、メジャーデビューも近いんじゃね?」

 


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