ひまわり 77

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「将清に聞いたんだ?」
 へらっと笑って優作はグラスのワインを飲み干した。
「お前、あれから報告なしだし」
「…付き合ってなんかいないよ。あの後すぐ、親から電話で、彼女はどうも乗り気じゃないらしいからって…」
 元気の文句に、ぼそぼそと言葉は尻すぼみになる。
「じゃ何で、将清に、付き合ってみるなんて言ったんだよ!」
 いつになく語気も荒く元気が訊いた。
「ちょっとした見栄だろ? だってさ…、将清のやつ、社長の娘かなんかと付き合ってるらしくて。結婚、するらしいし」
「結婚するらしいって、将清にちゃんと確かめたのかよ?」
「いや。最近はあんまり会ってない。忙しいんじゃないの? その彼女のお相手で」
 既に優作は二本目のワインのコルクを抜いている。
 そんなに強くもないくせにピッチが速すぎる。
「 お前、それで、やつの結婚式に招待とかされて、スピーチとかすんの? 大学から同じなんだから、当然オハチが回ってくるよな?」
 しばらく元気はワイングラスを玩びながら、ゆっくり飲んでいたが、ボソリと言った。
「そりゃ……」
 新しいワインをグラスに注ぐ優作の手元は、酔っていてちょっと心許ない。
「スピーチくらい、やんなきゃな。俺の時も、やってもらわなくちゃならないし」
 優作は自分と元気のグラスにワインをとぽとぽと注いだ。

 


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