ひまわり 86

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「両親が心配して俺を日本に戻すことを決めた時、ジョーが、俺にアメフトを教えてくれたセンターの先生が、俺に言ったんだ。きっと天使はどこかにいる、それはきっと俺を導いてくれる何か、人かもしれないし、動物かも知れないし、形のないものかもしれないが、きっと来てくれるってさ」
 優作は将清の言葉に同調して胸が苦しくなった。
「んでさ、あの時、お前がやめろって叫んだ時、わかったんだ、俺の天使が現れたって」
「はあ?」
「俺の天使はお前だったんだ」
 ニヤケてのたまう将清に、優作はそれこそゆでだこのように真っ赤になった。
「ミドリにも言った。俺の天使はお前だったんだって」
 くっそ、だから、ミドリが俺にあんな怖い顔で見放したら承知しないとか、言ったんだ。
「人がまじめに聞いてれば、お前、よくそんな恥ずかしいこと平気で言えるな!!」
「事実だ!」
「だが俺は天使に一つだけ、懺悔しなくちゃならないことがある」
「言ってみろ!」
「琴子のことな」
「琴子?」
「二股三股かけてたとか、男を手玉に取ってたとか」
「ああ?」
「ウッソぴょーん!」
「はあ? 何で!!!!」
 優作は身体を起こして、へらへら笑う将清を睨みつけた。
「琴子からお前の目を離すために決まってるだろ」
 しれっと口にする将清に、優作はますます顔を赤くして押し黙る。
「琴子は清廉潔白、今時珍しい、しっかりした誠実な女子だった、うん。お前の目は決して節穴じゃない」
「何をいまさら!!!!!」
 だが、それこそその頃から優作を意識していたということかと思うと、何も言えなくなる。

 


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