夏を抱きしめて42

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「お前ら、ちゃんと反省しろよな、みんなをきりきり舞いさせて」
 珍しく迷彩服の上下、しかもかなり余っている、を着た元気の前で、腕組みをしながらのたまったのは、昼になって豪の部屋を訪れたみっちゃんだ。
「悪い、さっきも将清や優作に電話で謝ったし」
 元気が苦笑いでコーヒーをすする。
「ったく、行ってみれば、赤坂プロの社長が倒れてるわ、そばに一平が突っ立ってるわ、一体何ごとかと思ったぞ」
「あのオッサン、絶対イカレてたぜ」
 思い出して振り払うように元気は首を振る。
「有無を言わせず殴ったのはこいつ」
「おい、元気ぃ……」
 素早く指差す元気に豪が哀れな声ですがる。
「一平にも礼を言っとくんだな。元気にあいつが襲い掛かるところを携帯で撮った、って言ったら、オッサン、すごすごと逃げてった」
「うう……」
 笑うみっちゃんに、神妙な面持ちで豪が呻いた。
「心配するな。うちの顧問弁護士とも話してたんだが、やつとは一度決着つけなくちゃならない。もうお前につきまとったりしないようにな。あいつ、例の海賊CD手に入れてそれをまたコピーして売りさばいてたって証拠も掴んだ」
「姑息なやつだな。よろしく頼むわ。みっちゃんやみんなにもとばっちりだったな」
「まあな、確かに、うちも迷惑を被った。何しろ『幻のギタリスト』ってのが、実はとっくにやつの手を離れて一人歩きしてたんだ。しかもとっくにこの業界じゃ定着しちまった」

 


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