そんなお前が好きだった105

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「そういえば元気、相談って何?」
 一口温かいコーヒーを飲んでから、響が聞いた。
「相談?」
 元気が聞き返した。
「あ、あれ、江藤先生のウエディングパーティのこと、話そうって言ってたじゃん」
 井原が慌てて言った。
「ああ、そう、なんだけど」
 元気は井原を睨み付けた。
「この店でやるんだって。で、ミニライブやろうってことになって、響さんももちろん参加するよな?」
 断言的に井原に言われて、響は答えに詰まる。
「江藤先生のウエディングパーティ? って、先生、誰と結婚すんの?」
「『丸一』の秀喜に決まってるだろ」
「え、そうなんだ? ほんとに二人、続いてたんだ?」
 響は昼に会ったばかりの江藤の顔を思い浮かべた。
 そういえば、思いのほか幸せそうだったような。
「いや、何か紆余曲折あったみたいだけど、めでたい話じゃん」
「それは確かに」
 響も頷いた。
「ここでやるのか?」
「二人もう一緒に住んでて、近々籍入れるっていうんで、じゃあ、仲間うちでウエディングパーティしようって秀喜も江藤先生も喜んでさ。二人とも再婚同士だから、披露宴とかやりたくないって言ってたんだが」
 井原に代わって元気が答えた。
「二人とも再婚同士?」
「あ、まあ、親同士の反対とかで二人とも意に染まぬ結婚して、結局ダメになってみたいな? 俺がこっち戻ってきたころから秀喜も家出て二人また付き合い始めたみたいで」
「そうか、卒業してもう十年だもんな、いろいろあるよな」
 元気の説明に、響はしみじみ言った。
「でも、十年経っても、結局二人はお互い好きだったってことだろ? よかったよなあ」
 井原がわがことのように言う。
「まあな。それが二人は披露宴なんかやらないって言ったのにまた親がさ、取引先にも紹介する必要があるから披露宴はやるとかって聞かなくて、秋に結局やるらしいけど」


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