花のふる日は 101

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 ドアが開いて、周りのクラスメイトより一際大きな男が現れた。
 振り返った千雪は、一呼吸おいて、「研二」と男を呼んだ。
 男たちも研二を認めて、「やっときたか」と口々に声をかけた
「おう、千雪、元気しとったか?」
 端正だが一見恐持ての、だが優しい目を研二は千雪に向けた。
「お前こそや」
 千雪が研二に駆け寄ると、研二は大きな手で千雪の頭をくしゃっと撫でた。
 それだけで、千雪の中にあった様々な不安要素がどこかへ押しやられた。
 研二の目はあの日と同じように、自分に向けられているように感じたからだ。
「研二くん? 綾小路です」
 京助は極めて紳士的に、にこやかに二人の前に立った。
 大方目線は変わらない。
「ああ、研二、大学の先輩の京助や」
「どうも」
 千雪に京助を紹介された研二は軽く頭を下げ、まじまじと京助を見つめた。
「どうぞ、何を飲む? ビール、焼酎、ウイスキー、ワイン」
「ほな、ビール、頼んます」
 京助が研二のグラスにビールを注ぎ終わる前に、島田が「こっちや、研二、千雪も」と二人を呼んだ。
 研二がソファに座り、千雪がその後ろに立つと、「久々の義経弁慶やな」と誰からともなくそんな言葉がかけられた。
「何だ? その、義経、弁慶っての」
 さり気なく千雪の横に立つ京助が問いかけた。
「こいつ、研二、この通り、でかくて恐持てですやろ? おまけに柔道段持ちで強いし、いつも千雪が突っ走ったり、何や、やらかしたりする時は、身体張って前に立ちはだかっとったし」
 話題は一気に盛り上がる。
「そうそう、いつか、二年の時やったか、三年に結構なワルがいてて」


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