真夜中の恋人139

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 ポトフは確かに美味かったし、何だか久しぶりな、まったりと穏やかな夜だ。
 そのまま朝までまったりと過ごせればなどと思った千雪であるが、ベッドで優しいキスをくれたものの、京助がそれで収まるはずもなかった。
「お前、せっかくええ音楽聴いた夜くらい、余韻を楽しみながら静かに眠ろうとか思わん?」
「いい音楽聴いた余韻をこうやって楽しむんじゃねぇか、第一、一週間ぶりだぜ?」
 さっさと千雪のシャツを脱がしにかかった京助に、俄かに抵抗を試みるものの結局徒労に終わり、千雪が意識を手放したのは明け方近くなってからだった。


 最近大学ではもう速水も千雪に突っかかってくることもなく、昼も千雪は一緒になることはほとんどなかったのだが、二人が帰国して一ヵ月が経ち、そろそろアメリカに戻る時期が近づいてきたある日、たまたまカフェテリアで四人が一緒になった。
「そういや、原夏緒の展覧会、来年の春あたり、白金台の九条美術館がOKくれたみたいだぜ?」
 何気ない口調で京助が言った。
「え?」
 千雪は思わず聞き返した。
「ほんと? じゃ、詳しい日程が決まったら教えて。帰ってこなきゃ」


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