真夜中の恋人43

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 小田の話を工藤のことを頭からヤクザ呼ばわりした速水に聞かせてやりたくなった。
「宮島教授から三人は在学当時から三羽烏と言われていたとお聞きしました」
 すると初めて小田がわずかに口元を引き締めた。
「三羽烏ね…………古い話だ。つかぬことを聞くが、小説の映画化の話は工藤の方から?」
「はい。宮島教授を通して工藤さんを紹介していただきました」
「そうか」
 小田は言い、にっこり笑った。
「あの」
「何だね?」
「宮島教授からは、小田さんたちは実は三羽烏じゃなかったというようにお聞きしましたけど」
 一瞬間があった。
「宮島教授が?」
「はい。実は三羽烏ではなく、四羽だったんですか?」
 千雪は思い切って尋ねた。
 小田はうーん、と顎に手を当てて、視線を宙に向けた。
「まあ、そうだね。三年までは……もう一人、将来こいつは絶対切れ者の弁護士になると思っていたやつがいてね。残念ながら亡くなってしまったんだ」
 やはり、と、千雪は自分の想像が当たってしまったことに、密かにため息を吐く。
「ひょっとして、桜木ちゆきさん、ですか?」
 小田はすると少し険しい表情を千雪に向けた。
「それを聞いて、君はどうしたいんだ?」
「どうしたいというわけではありません。宮島教授にはよくしていただいてますが、初めてお会いした時、僕の名前を聞き返されたので。男なので似合わないと思われるらしくよくあることなんですが」


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