小草生月某日-12

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 少々たじろいだのもつかの間、すぐに昨夜の理紗子とのディナーがどうの、それから仕事に戻った彼女と深夜にバーで待ち合わせて、そのまま彼女の部屋に行ってどうのこうのと天丼を書き込みながら自慢げに佐久間が並べ立てているところへ、大柄な男が二人やってきて千雪の横と佐久間の横に陣取った。
「名探偵のランチ、それだけか? 食わないと大きくなれないぞ」
 ウザい男がまた増えたと、胡乱な視線を速水に向けるのだが、二日続けて半徹夜の影響で立ち上がるのも億劫だ。
 栄養ドリンク飲んでおくんやった
 うどんを一筋ほど残して、千雪は茶をすする。
「ほら、食え」
 そんな千雪を見て、京助は千雪のトレーにヨーグルトのかかったサラダの鉢を置いた。
「ええ、京助のんやろ」
 千雪はサラダを京助のトレーに返す。
「いいから食えっての。昨日の昼もてめぇ、弁当食わなかったんだってな?」
 また鉢を千雪のトレーに置くその命令口調に千雪は昨日からのイライラを抑えきれなくなる。
「お前があんな嫌がらせするからやろ?!」
「嫌がらせだと? 人が精魂込めたってのにどういう言い草だ?」
「ちゃうやろ?! やり方の問題や」
「やり方のどこが問題だ?」
 次第に声高になる二人の言い争いを前に、速水はカレーをぱくついた。
「しかし何ともこいつらってある意味すげぇかも。堂々と公衆の面前で痴話げんかできるって、どうよ?」


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