花びらの囁き 24

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「いいってことよ。どうせ今に始まったこっちゃないし。悠ちゃん、夢中になると周りが見えなくなるもんね」
「るせー!」
 確かに幼児要素が強い悠を必要以上に心配するのは藤堂だけではない。
「しっかし、なんだな、ワインは美味いけど、いまいちローマにいるっつう気がしねぇよな。ま、貧乏旅行だし、目的は芸術鑑賞だから」
「俺にかまわず、行きたいとこ行けばいいじゃん」
 そんな自分が高津の行動を妨げているようで、ついそんなことを口にした。
「ああ?」
「明日は別行動だ!」
「お前、何言ってんだよ」
 チーズをぱくつきながら、高津は笑う。
「俺のおもりにきたわけじゃねーっつんだろ? 見たいものも違うし。明日、バチカン行ったら、お互い好きなもの見ればいいんだ。携帯あるんだし」
「んなこと、お前、できるのか?」
「幼稚園児じゃねーんだ。二十二歳の大人が、そのくらいできないはずないだろう」
 悠はタンカを切った。
「よし、わかった! ただし、電源入れるの忘れんなよ、携帯」
「お前こそだ!」
 

 


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