「な……ーんだ、そんなことか。任せろよ」
「何だ、まさか、身体を差し出せ、とか言われると思ったのか?」
からかい半分、藤堂が言うと、悠は本気でうろたえる。
「その反応から察するに、本当にあったのか? そんなこと。君は男の子だろ」
「……先輩んとこに転がり込んでた時、置いてやってるんだから、やらせろ、とか言われて、俺逃げ出して……」
なんてこった、と藤堂はため息をついた。
「とにかく、部屋を借りられるようになるまでいていいから、いや、そうすると、やっぱ家財道具一式、早いとこ揃えなくては」
藤堂は一人でうん、と頷く。
「明日、一緒に買いに行こう。そのくらいつきあえるだろ?」
嬉々として藤堂は提案した。
「いいけど…」
少々困惑気味な悠の反応も意に介さず、これは益々面白くなってきたな、と藤堂はにんまり笑った。
翌日、早速藤堂は車に悠を乗せ、悠の希望に合わせて電気量販店からデパート、雑貨屋を回った。
藤堂は悠のためにソファベッドを、それから自分とアイちゃんのためには座り心地のよいソファも買うことにした。
「なんだか、新婚さんみたいだな」
ウキウキと藤堂が口にすると、
「ざけたことぬかすな!」
すかさず悠が藤堂を見上げて喚く。
しかし仕事で忙しくて揃える暇がなかった、と事情を説明する藤堂に、
「え、火事で焼け出されたぁ? そっかー、大変だったんだな、あんたも……」
と悠はすっかり同情してくれている。
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