幻月21

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「何かわかったら、知らせてよね」
 アスカが言った。
「とにかく司令塔は良太やから、情報は良太に報告するわ」
「はい」
 秋山と良太は工藤と仕事のスケジュールを照らし合わせて、どちらが受け持つかをたったか決めていった。
 やがて秋山がアスカを送って行くと言って帰っていった。
「わしは、上の部屋を片付けて、しばらくおりますんで、いつでも呼んでください」
 平造は七階にある工藤の部屋へと向かった。
 千雪と京助も何やら話をしていたが、また連絡を入れると言い、オフィスを出て行った。
 良太は今のうちにやっておくことはやっておこうとキーボードを叩いていたが、帰ったと思った千雪がまた戻ってきた。
「どうかしましたか?」
 傍に立った千雪を良太は振り仰いだ。
「あんな、皆には言うてないが、もう一つの可能性があるやもしれん」
 良太は千雪を凝視した。
「わかってるやろ? 良太も」
 良太はこくりと頷いた。
「表面上はただの殺人事件やけど、もしかして裏に何かあるかもしれん。いつか、俺ら三人が襲われた時、まるで何とかマンみたく現れてやつらを蹴散らして消えたやつ、あの人、おそらく工藤さんの影のボディガードやないかと。アッチ関係のな」
 良太はそれに対してはただ千雪の言葉を聞いていた。
「あの時、やつら俺を工藤さんの女と勘違いしたみたいやけど、それまだ有効ならそう思わせとき。女とか不本意やけど、この際しゃあない」
「千雪さん、でも……」

 


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