幻月24

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「俺も、実際社長と仕事をしてみなければ、クロで押し通しただろうが。とにかく、今は俺、できる限り昔の知り合いに当たってみる。とにかく、薬を持ってまで社長を陥れようとしたのが誰か、真犯人でも突き止めない限り、かなり難しいが、警察がクロで押すんなら、こっちはとことんシロってことで、探ってみようじゃないか」
 やはり、と思った良太をいい意味で裏切って、谷川は頼もしい発言をしてくれた。
「だよな。俺も社長には世話になってっからよ。こんなとこで、工藤に引導を渡されてたまるかよ」
 小笠原が声高に言った。
「ありがとうございます!」
 良太はまた皆に深々と頭を下げた。
「チラッと話にもあったように、警察より早く、千雪さんらが動いてくれて、情報を集めています。我々は仕事を怠ることがないように、社長の留守を守るのが先決です」
 秋山が淡々と言った。
「とにかく我々はきっちり仕事をしましょう」
 良太が秋山に続けて拳を握りしめた。
「おい、良太、お前肩に力入り過ぎ。それに、お前が倒れでもしたら、それこそ会社ズダボロになるからな、俺にやれることは何でも言え」
 小笠原が断固として言い放った。
「わかった」
 それぞれが仕事に戻っていくと、鈴木さんが黙ってコーヒーを入れて良太のデスクに置いた。
「とにかく無理しちゃだめよ」
「ありがとうございます」
 いつもながらに鈴木さんの思いやりは身に染みて伝わってくる。

 


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