幻月39

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「できれば、小田先生にはこの男の素性と、二人がホテルに入る前と出た後の足取りを調査してほしいんです、防犯カメラとか」
「わかった。そうだ良太くん、実は、谷川さんから、うちの臨時調査員ということにしてもらえればいくらでも動くと言われて、もうお願いしたところなんだ」
「ほんとですか?」
「仕事に差し支えないように動くと言ってたよ。あの人は元、神奈川県警捜査一課の凄腕刑事だったらしいからね」
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
 まさか谷川がそこまでやってくれるとは、良太も思っていなかった。
「へえ、そうなん? 確か奈々ちゃんのマネージャーやろ?」
 千雪がちょっと目を丸くして聞いた。
「ええ、ボディガードとしても力を発揮しててくれますし、きっちりしてます」
「そら、なんやな。俺、そんな人の前で、思い切り警察の罵詈雑言言うてもたで」
 そう言って笑う千雪につられて、良太も笑った。
「ですよね~。まあ、うちの社員はみんなわけありなんで」
「俺らは引き続き田口紀佳と友成の周辺調べてますんで、また情報上がったら連絡します」
 千雪は小田にそう言った。
「よろしく頼む。だが、くれぐれも無茶はしないように」
「わかってますよ。法律に触れないようにうまくやりますよって」
 しれっと言う千雪に対して、小田は苦笑いした。
「あの、先生、工藤さんに知らせてほしいことがあるんですが」
 良太は波多野のことを思い出して少し緊張しながら言った。
「明日も接見に行く予定だが」
「仕事のことです。フジタ自動車は俺が打ち合わせ行ってきました。あと、MEC電機から奈々をCMで使いたいという連絡が入り、プラグインの藤堂さんと一緒に打ち合わせを済ませました。こちらに詳細はありますので、この二つをお伝えいただきたいんです」
「確かに承った。しっかり伝えておくよ」
 小田は少し眉を顰めてじっと良太を見つめながら言った。
「会社は君にかかっているからね。もちろん無理をしない程度にとにかくよろしく頼むよ」
 念を押すように小田は言うと、一人また頷いた。
 

 


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