幻月93

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「……人を丸め込もうったって……!」
「お前の身体の方は、はいそうです、って言ってるぞ?」
「…ん……!」
 にやつく工藤に言われなくても、身体中どこを触られても敏感になっている良太は、工藤の指が少し動いただけで、意図せずして喘がされる。
 内にいる工藤が良太を昂らせ、良太の身体は勝手に熱を帯びる。
 帰ってきたのだ。
 工藤………!
 工藤がいない世界なんて絶対いやだ。
 どこにも行くなよ……!
 いやだ……絶対離れたくない………
 何でこんなオヤジなんだろうって、思うけど、しょうがないじゃん。
 好きなんだから。
 頑丈な腕が良太の身体を抱え、その指が良太の反応を操りながら這いまわる。
 脳みそもどこもかしこも溶けそうに熱くて思考なんぞはどこぞへ飛んでいった。
「あ……んん……っ!」
 濡れた吐息が唇から漏れるのを止められない。
「……良太…」
 色めいた声が耳朶に触れた刹那、過ぎる程の愉悦に良太は身を震わせた。

  

 身じろぎした良太はゆっくりと意識が戻るにつれて、額を工藤の固い胸に押し付けているのに気づいて、はたと身体を起こした。
「まだ夜中だぞ、寝ろ」
 工藤の手が良太の後ろ頭を抱えてまた枕に戻した。

 


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