鬼の夏休み17

back  next  top  Novels


 合宿にも連れてきていたが、京助と千雪は、大抵今千雪が連れているこのハスキーのシルビー一緒に動くらしい。
 シルビーは青い目で見上げながら良太に鼻をこすりつけてしきりと尻尾を振っていた。
「良太、猫だけやのうて、犬にも好かれるのな?」
「はあ、何故か」
 良太はシルビーの目線でわしゃわしゃと撫ぜる。
「仲間だと思われてるんだろ」
 傍から工藤が茶々を入れる。
「ここまで散歩?」
 良太は工藤のからかいを無視して千雪に尋ねた。
「いや、そこのトリマーさん、巧いからシャンプーとトリミングやってもろて」
「ああ、あそこ、すごいですよね、ボルゾイとかでっかいプードルとか、猫もゴージャスなのばっか」
「セレブばっかやから、こいつはちょい場違いなんやけどな」
「いや、綺麗になると、この子、ほんとに銀色ですよね」
「普段、汚れてるからって言うんやろ」
 飼い主の千雪も磨くときれいなのに、結構無精なので、髪も伸びっぱなしの時もある。
 そこは飼い主に似たのか、トリミング済のシルビーは神々しいまでに銀色に輝き、もっふもふに仕上がっていた。
「そういえば、今夜どんなメンツが集まるんです?」
 良太は気になっていたことを千雪に聞いた。
「うーん、今夜はそう堅苦しい人らは来ないんちゃう? 紫紀さん関係の身近なメンツらしいで。かたっ苦しい会長関係の財界人ら集るんは明日のパーティやろ」
「え、明日のパーティ?」
 聞いてない、と良太は思わず工藤を振り返る。
「顔だけ出してくれと言われてる」
 にこりともせずに工藤は答えた。
「ええ? 俺、これかあとジャージかいつものくたびれたスーツしか持って来てないですけど、俺は遠慮してもいいですよね?」
 良太は言外に嫌だと目いっぱい訴えた。
「明日も店は開いてるぞ」
 事も無げに言う工藤を良太は睨み付ける。
「今夜は六時くらいから始めてますよって、適当に来てください」
 ニヤニヤと良太を見つめてから千雪はシルビーと一緒に去っていった。

 


back  next  top  Novels

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村