鬼の夏休み22

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「つまりセレブ二世というか、次期経営陣、みたいな?」
「せやな。あとはほら芸能人や業界関連もいてる」
「ああ、浜田しおりとか岸紘一郎とか、大御所俳優ですね。あれってスズキエンターテイメントの鈴木社長でしょ」
 スズキエンターテイメントは古くからの大手芸能プロダクションで、そこの社長は何かのパーティで顔を合わせているが、いかにもな偉そうな顔をした恰幅のいい男だ。
 事務所の若手女優や若いイケメン俳優数名を従えている。
「笑える話、あの人、正月に京助が俺とのことぶちまけてから、京助は男が好きらしいとか誰ぞに聞かされたらしゅうて、前は自分とこの女優陣けしかけようとしよったのが、今度は若いイケメンも引き連れて現れよったもんやから、京助のやつ、超不機嫌で紫紀さんの客やから何か言いたいの我慢して鬼の形相で鈴木社長睨み付けてん」
 良太は吹き出した。
「京助さんもいい迷惑ですね、それって。しかし取り入ろう精神丸出しでよくやりますね、いくら業界人でも」
「いや、何せ、紫紀さん、工藤さんと仲がええのんは事務所のタレント使うてるに違いないとか思い込んで、的外れな売り込みしよるんやろ」
 確かに裏では枕営業などというやり方が未だにまかり通っているところもあるらしいと噂もある。
 工藤もキー局にいた頃は、言い寄る美人女優を片っ端から食ってたなんて話もあったのだが、実際のところはどうなのか、良太も工藤に直接聞いたことはないし、聞きづらい。
「鈴木社長の隣は大手不動産会社社長の関谷。この屋敷の隣に別荘があるから声かけざるを得ないいうか」
「俄かセレブもいるみたいですね。あの髭の人、ベンチャーの社長でしょ? 今年急激に業績が伸びた」
「そういう人もいてるな。知り合いに声かけてもろてきてるみたいな。アパレルの社長、高瀬ゆりことか」
「ああ、あの美人?」
 髭のベンチャー社長と話し込んでいるシンクのドレスの女性を見て良太が言った。
「女は化けよるからな、誰もが美人に見えるんや。夜のパーティなんか特に」
「それ女性の前で言わないでくださいよ、千雪さんに言われたら立ち直れなくなりそう」

 


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