鬼の夏休み24

back  next  top  Novels


「名探偵もこんなところにいたのか? 超古い別荘にせっかくセレブが集ってる、探偵小説のネタには持ってこいだよな?」
「それやね、ジャージと黒縁メガネで登場せなあかんかったて、今良太と話とったとこや。ああ、そや、最初の犠牲者は、えせ心理学者のセンセ、言うんがおもろいかもな」
 速水と千雪にとっては、嫌味の応酬が日課のようになっているようだ。
「ほう、そりゃいい。次はお前、バツイチの派手な華道家ってやつだぞ?」
 速水が理香に言った。
「あら、あたし? ついに小説デビュー?」
 むしろ理香は喜んでいる。
「え、理香さんて華道家なんですか?」
 そこに良太が口を挟んだ。
「あら、そうなのよ。これでもお花生けたりするの。見えない?」
「はあ、全然。人生楽しく過ごしてる人だなとか」
 直球な発言に理香は笑い出した。
「やだ、この子、大好き! 超ダイレクト!」
「なるほど、さすが千雪ちゃんの類友だ」
 速水も笑いながらそんな科白を吐く。
「類友はお二人ちゃいます?」
 千雪がさらに言葉を返した。
「類友って、俺、千雪さんみたく、傍若無人なことしませんよ」
「俺が傍若無人みたいな言い方やんか」
「いやそう言ってるんすけど」
「俺の何が傍若無人や? 裏切りよって!」
 そんな二人のやりとりが速水も理香も面白いらしい。
「やだ、仲間割れ? そういえば、スキーに来てた麗しの茶道の若先生は?」
「仕事です。茶道の若先生はサブで、本業はクリエイターですから」
 きっぱりと良太は理香に答えた。
「ああら、残念。またお会いしたかったのに」
 理香が大仰に肩を竦めた。
「なかなか軽井沢くるような暇ないんです」
「良太ちゃんは暇なの?」
 ちょっとムッとした顔で良太は理香を見た。

 


back  next  top  Novels

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村