鬼の夏休み26

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 良太は思わず三人を順番に見やった。
「このBBQパーティ、毎年恒例言うやっちゃけど、涼は今年、まずい時に帰ってきよって、公一さんがやる予定やったんを急遽、代わってん」
 涼はボストンH大に留学中だという。
「前は業者呼んでやってもろてたらしいけど、京助のヤツが取り入ろういう女たちもやけど、けしかけようって腹の親の魂胆が見え見えで、嫌気がさしてついにこういう作戦に出たわけや」
「なるほど………」
 良太は妙に納得できた。
 モテるモテないより、こういう裕福な家に生まれるとそれなりに苦労もあるのだろう。
「大も最近、紫紀さんてより、京助のクローンみたいになってきたやろ?」
 大学生になったという大はこころなしかスキー合宿の時より背が伸びたようで、ほぼ京助と変わらないくらいだ。
「性格は似ても似つかない感じの真面目さですけどね」
 千雪は苦笑する。
「そのとおりやから、京助も甥っ子が心配なんちゃう?」
「そっか、次の次のCEOとか?」
「いや、それはわかれへんけどな、まあ、そないなことまで考えて大をターゲットにしてくる連中もいてるからな」
「何か、大変ですね~」
 いや、でかい家なんかに生まれなくてよかったと、良太はしみじみ思う。
「そうして、いつか相続争いとかで兄弟の妻や子を巻き込んで殺人事件が起こるわけや」
 一人頷く千雪は、「軽井沢、お坊ちゃま殺人事件、何かあとひとひねりほしいな」と、ブツブツ呟く。
「千雪さん……」
「せや、お坊ちゃまと言えば、工藤さんも、おぼっちゃまやってんな。意外なことに、藤原さん、工藤一族のこと知ってはって」
 これには良太も驚いた。
「そうなんすか?」
「横浜の古くから続いた名士で地主やったらしいで。土地柄、工藤さんの曾お祖父さんいう人は、若い頃貿易会社もやってはったて。奥さんも品のええ人で、お嬢さんがまたきれいなひとやったらしい」
「え、お嬢さんてひょっとして工藤さんのお母さんとか?」
「せやな、その母親のことちゃうか? 藤原さん、身寄りがなかったところを綾小路の先代に引き取られて育った言うてはったし」
「えっ、じゃあ、中山組の先代の極妻?」

 


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