鬼の夏休み47

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 二人は駐車場の方に行くと、木陰に隠れた。
「俺、あんまり木陰とかいややねん。蛾、とかいてるし」
 千雪が恐る恐るあたりを見回した。
「え、俺もあんまりバタバタやられるのはすきじゃないです」
「バタバタとかいうなや! ゾゾっとするし」
「じゃ、ゴキとかもダメ?」
「見たら寝られへん。やから、ゾゾっとするよってやめや」
 千雪はかゆくもない手の甲を掻く。
「あ、誰か来た」
「あれは、田口くんや。公一さんの後輩の」
 田口が年配のおそらく夫妻だろう二人を案内してきた。
「ん? 私の車はどこだ?」
 男性が聞いた。
「え、確かここだと」
 田口は慌てて、手にしていた駐車場のボードを見ながら確認するが、どうやらないらしい。
「お客様、白のベンツでございますね? Sクラスの」
 田口は片っ端から見ていくが、どこにも白のベンツがないようだ。
「千雪さん、あれ、ひょっとして」
「やりよったな」
 千雪はだが平然としている。
「どうします?」
「恐れ入ります。少し中でお待ちいただけますか? どこか別の場所に置いたのかも知れません」
 田口が丁重にそう説明すると、ムッとした顔をして男性とその妻はまた中に戻っていく。
 その時、千雪の携帯が鳴った。
「おう、どないした? うん、そうか、わかった。そいつしばらく見張っときや」
「千雪さん?」
 良太は訝し気に尋ねた。
「こういうこともあるかと思て、ダチに外を張らせとったんや」
「え?」
「捕まえたて、今」
「捕まえた???」
 良太が驚いているうちに、千雪は京助を呼び出した。
 やがて京助が二人のところへ現れた。
「ここで警察沙汰はまずいやろし、誠が仲間と車追っていきよって、捕まえたらしいで」
「クッソ、あのガキ、村野と小谷がつるんでるって?」


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