月鏡12

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「あ、直ちゃん、お疲れ」
 直子はそのまま良太の腕を隅へと引っ張って行く。
「何かあった? 直ちゃん。佐々木さんと直ちゃん、ほんとベストカップルって感じだよね、すごく似合ってる二人とも」
「うーん、佐々木ちゃんは地がモデル体型だから、何着せても似合うから着せがいがあるのよ。あの性格じゃなきゃとっくにトップモデルだったかも」
「あの性格?」
「目立つの嫌いだから。でも、直のことすごく有難く思ってくれてて、直の頼みだとノーと言えないのよ。今回も最初沢村っちが迎えに行くことになってたんだけど、ハロウィンパーティなんかパスって断っちゃって、しょうがないから直がお願いって言ったら不承不承」
「よく連れだしたよね」
「うん~、でもさ、佐々木ちゃんがもし、このパーティ、佐々木ちゃんと沢村っちが会うために計画したってわかったら、怒るってより、悲しくなっちゃうかも。それでやっぱり沢村っちと別れるとか考えるかもって………」
 ああ、確かに佐々木さんにそうと知られるのはまずいよな。
「ごめん、沢村のバカが考えなしな発言するからこんなことに」
「佐々木ちゃん、植山の時もそうだったけど、みんなに迷惑かけたことすごい責任感じちゃって、それ以上に、あたしも往復ビンタだけじゃたんないくらい腹立ったけど、あの時沢村っちも植山殴っちゃったじゃない? 自分たちがつきあってることで、沢村っちがまたそういう事態になったりしたらって、それが怖いんだと思う」
 それから二人して大きくため息を吐いた。
「ああ、そう、だよねぇ……。あ、でも、パーティはね、藤堂さんに話したら、だったらいっそ盛大にやろうよってことになって、ほら、あの人根っからのイベンターだから。みんなもちょっと声かけたら、即この気合の入れよう、好きなんだよ、楽しいこと。それにほらスキーん時のメンバー中心で、当り障りなしだから」
 良太はいつになく考え込んでいる直子に、言葉を選びながら言った。
 このホテルは実は東京での沢村の定宿でもある。
「何企んでるんや?」
 金田一耕助が立っていた。

 


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