月鏡42

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 部屋は一人の方が落ち着きますよね、と聞いてみると、皆でワイワイがいい、という答えが返ってきた。
「はあ、まあ、どっかの部屋で宴会にはなりそうですけど、俺と一緒でも構いませんか?」
「一人より楽しいだろ!」
 良太は檜山の電話を切ってから、すぐに先ほどのホテルに一部屋追加予約した。
 檜山さんが泊まる予定の部屋はドリームエージェンシーの三木原澪に使ってもらえばいいか。
 三木原のグレードをわざと下げたわけではないのだが、部屋が取れなかったのだ。
 そうすると、ツインに三人とかってなってるワキの俳優さんたちをちょうど二人ずつにできる。
 良太が部屋割りを考え直していると、「加藤、バイク?」と千雪が聞いている。
「だな。啓らと一緒に。旅行とか久々」
 その様子を見て、加藤が喜んでくれているのならいいか、と良太は思う。
 加藤は、それから警備員室を調べた後、駐車場に停めてあった車を調べた。
「ありました。ジャガーにくっついてたGPS。ベンツの方はOKみたいです」
 ちょうど工藤が部屋から降りてきた。
「ジャガーに?」
 GPSがジャガーから見つかったことを聞くと、工藤はまた険しい表情になった。
「あとはネット関連調べます」
「よろしく頼む」
 工藤は良太を振り返ると、
「斎藤ジイと飲んだ後、夜中から『カラスの城』のロケだ。あと頼むぞ」
「わかりました。気を付けて」
 良太が言い終わらないうちに工藤はタクシーを拾い、赤坂へと向かった。
「忙しい方ですね」
 ボソリと加藤が言った。
「だろう? ちょっと見ただけでもそう思うよな?」
 良太は思わず加藤に同意を求める。
「まあ、ワーカホリックは工藤さんの専売特許やから、しゃあないわ」
 千雪はため息をついている良太の背中をポンポンと叩いた。
 パソコン関連は調べたが、どれもOKのようだった。
 工藤自身のパソコンは調べられなかったが、「あの人のパソコンは多分OK。専属のSPが調べたはずだし」と良太は加藤に説明した。


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