寝ようとすると、またいろいろなことが頭をぐるぐるする。
そういえば、会社の親睦パーティ、やっぱ年明けだよな。
みんなに都合聞いとかないとな。
てより、どんなパーティがいいか、案出してもらわないと。
しっかし、工藤って、俺よかスケジュールぎっしりだろ?
よくきっちりやってるよな。
まあ、大概、何かあるのは相手側だから、怒りも半端ないわけで。
明後日からドイツか。
冬のドイツって重かったな………。
ドイツ支社でお世話になった英報堂支社の唐沢さん、たまにラインとかくれてたけど、元気かな。
最近、連絡ないのって、仕事が忙しいとか、彼氏と別れたって言ってたけど、新しい彼氏できたのかな。
そうだ、あそこにはケーテさんがいるんだっけ。
でも工藤、よろめく暇ないよな。
と思いたい。
ドイツではフランクフルトから北へとアウトバーンを走るらしい。
志村さんも藤田さんによほど気に入られているもんな。
十日ちょいか。
ナータンがこんな温かいのに、何だかこんな夜は、工藤の腕の中がいい。
とかって、俺って恥ずいやつ!
ちぇ、俺のSPもどきなんか心配するよか、ちゃんと無事に帰って来いよな。
十一月、しばらく晴天が続くようだが、うっかり外にでも出たものなら、ビュンビュンビル風が吹き抜けていく。
「さっむ……!」
しかも夜明け前、カートを引きリュックを背負い、良太は会社の前で凍えそうになって、今から良太を乗せて行ってくれるはずの車を待っていた。
京助の運転するレンジローバーが走ってきて、スーッと良太の前で停まった。
「これだけか?」
「おはようございます。はい、よろしくお願いします」
運転席から降りてきた京助は黙っててきぱきとカートを後ろのスペースに積み込み、良太はリュックを持って後部座席に乗り込んだ。
「おはようさん」
ナビシートの千雪は何だか元気だ。
「朝飯はちゃんと用意でけてるからな」
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