月鏡46

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 寝ようとすると、またいろいろなことが頭をぐるぐるする。
 そういえば、会社の親睦パーティ、やっぱ年明けだよな。
 みんなに都合聞いとかないとな。
 てより、どんなパーティがいいか、案出してもらわないと。
 しっかし、工藤って、俺よかスケジュールぎっしりだろ?
 よくきっちりやってるよな。
 まあ、大概、何かあるのは相手側だから、怒りも半端ないわけで。
 明後日からドイツか。
 冬のドイツって重かったな………。
 ドイツ支社でお世話になった英報堂支社の唐沢さん、たまにラインとかくれてたけど、元気かな。
 最近、連絡ないのって、仕事が忙しいとか、彼氏と別れたって言ってたけど、新しい彼氏できたのかな。
 そうだ、あそこにはケーテさんがいるんだっけ。
 でも工藤、よろめく暇ないよな。
 と思いたい。
 ドイツではフランクフルトから北へとアウトバーンを走るらしい。
 志村さんも藤田さんによほど気に入られているもんな。
 十日ちょいか。
 ナータンがこんな温かいのに、何だかこんな夜は、工藤の腕の中がいい。
 とかって、俺って恥ずいやつ!
 ちぇ、俺のSPもどきなんか心配するよか、ちゃんと無事に帰って来いよな。
 
 
 
 十一月、しばらく晴天が続くようだが、うっかり外にでも出たものなら、ビュンビュンビル風が吹き抜けていく。
「さっむ……!」
 しかも夜明け前、カートを引きリュックを背負い、良太は会社の前で凍えそうになって、今から良太を乗せて行ってくれるはずの車を待っていた。
 京助の運転するレンジローバーが走ってきて、スーッと良太の前で停まった。
「これだけか?」
「おはようございます。はい、よろしくお願いします」
 運転席から降りてきた京助は黙っててきぱきとカートを後ろのスペースに積み込み、良太はリュックを持って後部座席に乗り込んだ。
「おはようさん」
 ナビシートの千雪は何だか元気だ。
「朝飯はちゃんと用意でけてるからな」

 


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