月の光が静かにそそぐ19

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「ああ、ほら、今度、『レッドデータアニマル』なんかを取り扱う、『自然からの警鐘』ってドキュメント夏にやるでしょ、俺もナビゲーターの一人として出さしてもらうことになったんですよ。今さっき、うんて言わされて」
 古谷は笑う。
「え、ほんとですか? すご……」
「何言ってるんだ、お前もスタッフの一員だ」
 そこで工藤がやっと口を挟む。
「はあ、よ、よろしくお願いします!」
 そんな話も今初めて聞いた気がするが、とにかく古谷としかもドキュメントで仕事ができるということだけでもう、胸がいっぱいだ。
 そこでようやく工藤が自分をここに連れてきたわけがわかった気がした。
「ああ、それからあと一人、有吉のやつ、どこ行きやがった」
「有吉?」
 良太は初めて聞く名前だ。
「レッドデータの写真撮ってるヤツだ。一応、今度のドキュメントの話はウンと言わせたんだが」
「確か、ミランドラのコレクションも撮ってましたよね?」
 沢村が言った。
「よく知ってるな、そいつだ」
「そういえばそんな名前の人に、俺も撮ってもらったことがありますよ。ここのコレクション、出させてもらった時にいたカメラマンじゃないかな」
 古谷が言った。
「ああ、腕は確かだが……」
 工藤がその先を言いよどむ。
 良太はすぐに工藤が言いたいことを察した。

 


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