月の光が静かにそそぐ24

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 年輪と渋みを重ねた分、きっとこの隣に座る男の魅力になっているんだろう、なんて思ったことは、口にはしないが。
 身びいきって言うか、やっぱ俺の頭腐ってるって。
「お銚子、もう一本」
 考えるだけでカーッと赤くなった顔をごまかすように、良太は言った。
 
 
「おい、大丈夫か?」
 工藤は足元がおぼつかない良太を抱えて聞いた。
「全然、平気ですって。そういや前田さんとこも最近、行ってないじゃないっすか、ちょと寄りましょうよ」
「しょうがないやつだな」
 良太が自分と酒を飲むのを嬉しがっているのはよくわかるのだが。
「あ、俺も同じの、ロックで」
「おい、カクテルかなんかにしてもらえ」
「ダ~イジョブれすって」
 工藤はカウンターの中の前田に目で合図し、ジンジャエールで割ったものを良太の前においてもらう。
 コクコクっと二口ほどのんだところで、良太はカウンターにつっぷして寝息をたてている。
 よくやってるよ、お前は。
 最近の良太のことを思い、工藤は良太の寝顔に心の中で語りかけた。
 だが、古谷の話はもういい加減にしてくれ。
 実のところ他の男のことを良太がやたら褒めちぎるのを聞いているのは面白くない。

 


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